ASEAN特使、29日からミャンマー再訪 スーチー氏との面会は不透明
政治・経済 2022年06月29日 10時58分 公開

<写真:The Irrawaddy>
28日、カンボジア政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)のミャンマー特使として、プラク・ソコン副首相兼外相が29日からミャンマーへ2度目の訪問をすると発表した。
カンボジアの外務・国際協力省は、ミャンマーへの訪問はすべての関係者との会談を通じて、包括的な政治対話に資する環境の構築に貢献することを目的としていると述べた。
特使はミャンマーへ5日間の訪問中にネピドーで国軍幹部と面会する予定で、スーチー氏との面会も求めているものの、国軍側が認めるかどうかは不透明だ。
22日、国軍当局はスーチー氏の身柄を、従来の軟禁先から刑務所内に新設した専用施設に移した。
これについてプラク・ソコン氏は国軍に「深い懸念」を表明しており、スーチー氏を以前の軟禁場所に戻すよう伝えたと明らかにした。
プラク・ソコン氏は今回の訪問で、政党関係者との接触も模索する構えで、戦闘の多い地域での人道支援などについても国軍側と協議するとみられている。
5月、現ASEAN議長国であるカンボジアのフンセン首相は、特使をスーチー氏と拘束中のウ・ウィンミント大統領と面会させ、包括的な政治対話を始めるための環境を整えるようミャンマーに促した。
一方で、ミン・アウン・フライン国軍総司令官は、「他の関係者との会談を促進する」と回答するのみで、スーチー氏との面会については「刑事裁判中のため認められない」との立場を示してきた。
ミャンマーでは昨年のクーデター後の政権によるデモ隊への残忍な弾圧を受け、ASEANは国民に対する暴力の即時停止を含む5項目の和平計画を採択した。
しかし、国軍は武装抵抗勢力の鎮圧のため、超法規的処刑、恣意的逮捕、放火などを続けており、状況の進展が見られていないと批判されている。
同時に、ASEANによる同国への人道支援計画は、軍事政権が救援物資を自らの利益のために使用することが懸念される中、同政権に救援物資の分配を許可しているとして、権利団体から非難を浴びている。
関連記事
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。