国連特別報告者:ASEAN加盟国へミャンマー国軍に対する圧力強化を要請
社会 2022年06月27日 11時03分 公開

<写真:The Irrawaddy>
ミャンマーの人権状況を担当する国連人権理事会のアンドリュース特別報告者は、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、長い間外交が停止していたことを受け、ミャンマーの政権に対する圧力を強化しなければ、さらなる死と苦しみが待っていると警鐘を鳴らした。
イラワジ(The Irrawaddy)が報じた。
ミャンマーは、昨年2月のクーデターで民主派指導者のアウン・サン・スー・チー氏が追放されて以来、混乱が続き、経済は麻痺している。
10カ国で構成されるASEANが、加盟国であるミャンマーに平和をもたらそうとする努力は、戦闘が激化し続ける中で停滞している状況だ。
昨年4月、ASEANは暴力の停止や建設的な対話などを求める「5つのコンセンサス」に合意していたが、ミャンマー政府はこれを無視し続けている。
また、長期間歯切れの悪い話し合いの場と批判されてきたASEANの分裂も、この機器を解決する試みを複雑にしている。
アンドリュース特別報告者は、ASEAN諸国の取り組みについて問われ「明らかにもっとやるべきことがある」と述べた。
同氏はクーデターを強く非難しているマレーシア訪問後に「私たちが待てば待つほど、無策であればあるほど、より多くの人々が死亡し、より多くの人々が苦しむことになる。ミャンマーの人々はもう1年も無策でいることはできない」と述べた。
5つのコンセンサスについては「紙切れになったままでは意味がない」とし、意味ある行動に写すことで変化をもたらす可能性があると続けた。
同氏はマレーシアのサイフディン・アブドラ外相が現実的で実用的な提案をしたと述べ、ASEANの指導者らに同外相の勧告に耳を傾けるよう促した。
さらに、ミャンマーの民主派が作った挙国一致政府(NUG)との関係構築を図るよう、国連加盟国に呼びかけた。
ミャンマー国軍への対応についてもASEAN加盟国の中で意見が分かれており、今年ASEAN議長国を務めるカンボジアは、22日に開催したASEAN国防相会議(ADMM)にミャンマーから国軍が国防相に指名したミャトゥンウー氏の出席を認めた。
一方で、マレーシアはクーデター以降ミャンマーと距離を置いており、今年5月にはサイフディン外相が、NUGで外相を務めるジンマーアウン氏とワシントンで会談していた。
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