ミャンマー国軍、兵士の離反止めるためMytelを利用し情報を監視・盗聴
社会 2022年06月20日 13時30分 公開
<写真:The Irrawaddy>
ミャンマー国軍は、増え続ける離反を食い止めるため、軍が一部所有する通信事業者「Mytel」を利用し、国軍兵士の通信や位置情報を監視し、盗聴している。
イラワジ(The Irrawaddy)が報じた。
民主化を支援するNGO「ジャスティス・フォー・ミャンマー」は、14日に発表した最新の調査で、2018年6月のMytelのローンチ前にミン・アウン・フライン国軍総司令官が同社に兵士の名前、階級、軍のID番号を記載したデータへのアクセスを許可したと述べた。
この決定は、Mytelの加入者数を増やすためのプロモーションの一環として、ミン・アウン・フライン司令官の支援のもと行われた。
この販売キャンペーンは、「Aung Ta Khon(勝利の旗)」と名付けられ、兵士の軍籍番号が入った接頭辞0969のSIMカードを無料で配布し、情感が電話番号で部隊を簡単に識別できるようになった。
軍から離反したNyi Thuta氏は、イラワジに対して「以前は軍のID番号でパーソナライズされたMytelのSIMカードを持っていた。司令官も同社のSIMを使っているため、上官と連絡を取るために使っていた。」と語った。
ジャスティス・フォー・ミャンマーは、会話が盗聴され、身元や居場所が簡単に特定される可能性があることから、離反を希望する兵士らに対してMytelのSIMカードを使用しないよう警告した。
昨年のクーデター後に離反し、現在は自身のFacebookページで兵士の離反を支援するNyi Thuta氏はMytelのSIMカードを使って連絡を取っていた兵士らが亡命する途中で逮捕されたと明かした。
また、国軍はMytelの通信塔から脱走兵の居場所を突き止めることができるため、MytelのSIMカードが入った携帯電話の電源も入れない方がいいと続けた。
ジャスティス・フォー・ミャンマーに夜と、Mytelはプロモーションの一環として、現在拘束されているアウン・サン・スーチー氏やウィン・ミン大統領、その他の政府関係者らなどに無料のSIMカードを提供していた。
クーデター以来、Mytelは国民からボイコットされており、昨年11月には元海軍中佐の最高財務責任者U Thein Aung氏がヤンゴンで射殺された。
ミャンマー国内のMytel通信塔も軍政に抵抗する勢力から爆破されている。
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