ミャンマー国営放送局のアプリ、公開翌日にストアから削除
社会 2022年05月09日 10時54分 公開

<写真:The Irrawaddy>
ミャンマー国営放送局「MRTV」のアプリが、公開翌日の5日にアップルストア(Apple Store)とグーグルプレイストア(Google Play Store)から削除されたことが明らかとなった。
イラワジ(The Irrawaddy)が報じた。
4日には、国際衛星を介して軍政の放送コンテンツをライブストリーミングし、国営メディアの記事を配信することを目的とした、アプリとウェブのローンチセレモニーが、ネピドーで開催されていた。
人権団体「ジャスティス・フォー・ミャンマー(JFM)」は、5日に発表した声明で、このアプリはミャンマーの人々に対する軍事政権による心理戦の一環だとし、グーグルやアップルにアプリを禁止するよう呼びかけたという。
JFMのYadanar Maung氏は、「Apps Web Socialが軍事政権によるテロキャンペーンを支援し利益を得ていることを非難する」と述べた。
JFMによれば、このアプリは米国企業「Apps Web Social LLC」により開発され、同社は軍部の代理でアップルストアやプレイストアにリリースした。
アップルやグーグルは、英国に拠点を置く非政府組織「英国ビルマキャンペーン(BCUK)」により、人権侵害を行うミャンマー国軍と関与しているとして、「ダーティーリスト」に記載されている。
また、5日には米国企業である「GoDaddy.com」がホストのMRTVのウェブサイトもダウンしていた。
MRTVは、EUから制裁を受けているマウン・マウン・オン情報相が率いる情報省が運するプロパガンダ部隊とされている。
MRTVは、民主化活動家を「テロリスト」とし、拷問被害者の写真を掲載し、恐怖感を広めている。
昨年、フェイスブック(Facebook)は、ミャンマーの通信事業者4社のうちの1社であるMytelなどの軍運営企業を削除し、Tatmadaw True News、Myawaddy TV、MRTVなどの軍政支配のメディアページをブロックした。
ユーチューブ(YouTube)についても、2021年3月にMRTV、Myawaddy Media、MWD Variety、MWD Myanmarといった軍運営のテレビネットワーク5社を削除している。
関連記事
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。