豪政府が元ミャンマー国軍兵士の亡命受け入れ、国軍に動揺走る
社会 2022年03月25日 13時16分 公開

<写真:iStock>
オーストラリア政府がミャンマー国軍から離反した元兵士の亡命を受け入れたとの報道が出て以降、国軍内に動揺が走っているもようだ。
亡命に関心を示す将校が複数いることから、国軍側は警戒を強めているという。
イラワジ(The Irrawaddy)が報じた。
先週、豪メディアの「シドニー・モーニング・ヘラルド(The Sydney Morning Herald)」は、政府は1月から亡命を希望するミャンマー人を受け入れたと報じた。
昨年2月のクーデター以降、ミャンマー国軍は多くの民主派と戦って犠牲者が増え続けている中、軍を離反する兵士が相次いでいるという。
国民統一政府(NUG)によると、離反した兵士は約3000人に及び、高い地位では大隊長(battalion commander)レベルの兵士までいたという。
昨年のクーデター直後に軍を離反した元陸軍大尉のNyi Thuta氏は、オーストラリアが元兵士の亡命を受け入れたニュースが報じられた後、兵士らの間で亡命への関心が高まったと述べた。
現在、亡命の支援をしているというNyi Thuta氏は、ニュースが報じられてから3日間で、何百人もの人から亡命についての問い合わせがあり、以前とは異なり、中佐よりも上級レベルの将校らも亡命に関心を示していると続けた。
亡命を希望する兵士らは、安全上の理由から代理人に質問を依頼する人もおり、離反をためらっている人もいるという。
現在ストライキ中で、Facebookページで兵士の離反を支援するLinHtet Aung元陸軍大尉は、オーストラリアが元兵士の亡命を許可したことで、ミャンマー国軍内に動揺が走っていると述べた。
国軍は兵士らの離反を防ぐため、携帯電話やソーシャルメディアの使用、および移動の自由を制限し、ピア・ツー・ピアシステム(コンピューター同士が対等の立場でデータを交信するシステム)を確立して、軍内での規制を強化しているという。
最近、これまでに亡命した中でも最高位の兵士だったMyo Min Tun大隊長が亡命し、国軍側に大きな衝撃を与えた。
Nyi Thuta氏は、この大隊長の亡命について、軍内の状況がどれほどひどく悪化したかを反映していると述べた。
また、大隊長の亡命を知り、もっと高いレベルの兵士が亡命していてもおかしくないとし、第三国のインセンティブが多ければ多いほど、上級兵士の亡命が増加するだろうと続けた。
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