ミャンマー、コロナ死者を誤報のジャーナリストに禁固刑2年
社会 2020年05月23日 00時00分 公開

<写真:Bangkok Post>
ミャンマーで新型コロナウイルスの死者に関する誤報を流したとしてジャーナリストであるZaw Ye Htet氏が逮捕され、禁固刑2年が言い渡された。ジャーナリストの弁護士が23日に発表したと複数のメディアが報じている。
ミャンマーの22日時点での新型コロナウイルス感染者は199名で、死者数6名だ。
しかし、一部の専門家からは検査数が少なことから、実際の感染者数はもっと多いのではないかとの指摘も上がっている。
Zaw Ye Htet被告は5月13日に逮捕された。同日、Zaw Ye Htet被告の運営するオンライン通信社Dae Pyawが新型コロナウイルスによりカレン州で死者が出たとの誤報を流したという。
ミャンマーでは通常、逮捕から裁判まで1ヶ月程度要するが、今回に関しては逮捕された1週間後の5月20日には裁判が行われるという異例のスピードとなった。
被告に対して、カレン州の裁判所は、「恐怖や懸念」を引き起こす可能性がある情報の公開を禁止する刑法第505条(b)のもと、禁固刑2年を言い渡した。
被告の妻であるPhyu Phyu Win氏は判決について、不公平だとし、控訴するとAFP通信の取材に答えているという。
今回の逮捕から裁判の一連の手続きが異例のスピードで行われた理由は明らかになっていない。
カレン州はタイの国境に接しており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でタイで失業したミャンマー人労働者1万6000人が4月上旬に帰国している。
カレン州ではこれまで2名の新型コロナウイルス感染者が確認されており、死者は確認されていない。
ミャンマー政府は国民に対して、新型コロナウイルスに関する誤ったニュースについて注意をするよう呼びかけている。
非営利の国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチのPhil Robertsonアジア・ディレクターは今回の一連の件について、「惨事を招く行為」だとしている。
また、同氏は、国際法では言論の自由の制限に対しては説明責任が生じると主張している。
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