ミャンマー国軍がスーチー氏や大統領らを拘束、政権奪取を発表
政治・経済 2021年02月01日 10時15分 公開

1日、ミャンマーの与党・国民民主連盟(NLD)の報道官は、事実上政府のトップであるアウン・サン・スー・チー国家顧問とウィン・ミン大統領が首都ネピドーで国軍に拘束されたと明らかにした。
その後、ミャンマー国軍はアウン・サン・スー・チー国家顧問を拘束したことを発表し、非常事態宣言を発令したという。
さらには、国軍はミン・アウン・フライン最高司令官に政権が移譲されたとし、政権を奪取したことを発表した。
NLDの報道官によると、これは軍による明らかなクーデターだとし、他にも同党の中央執行委員会メンバーのHan Thar Myint氏が拘束されており、ネピドーにいる連邦議会議員の安否は不明だと伝えた。
さらに、警察関係者はNLD幹部や同党出身の地方政府トップらも拘束されたと伝えている。
ミャンマーでは、昨年11月に行われた総選挙でNLDが改選議席の8割を超える議席を獲得し、軍人枠が4分の1を占める国会での単独過半数を得て圧勝した。
一方で、ミャンマーの最大野党で国軍系の連邦団結発展党(USDP)や国軍は、選挙に二重投票や死者の名前での投票など、不正があったと主張していた。
ミャンマー国内は混乱しており、首都ネピドーでは、1日未明時点で電話が繋がらない状態となっている。
また、国営放送局「ミャンマーラジオTV局(MRTV)」は、フェイスブック(Facebook)上で、技術的な障害によって放送できない状態だと発表している。
日本人在住者も多いヤンゴンでも、電話やインターネットの接続に障害が発生しているという。
また、同市の市庁舎周辺には、軍隊が配備されていたとの目撃情報も出ている。
2月1日は選挙後初めてとなる国会が始まる予定だった。
今回の拘束はその直前に発生したものだ。
ミャンマーでは1962年のクーデター後、軍による政治支配が半世紀に半世紀にわたり続いたものの、2011年に民政に移管。
2015年の総選挙では、民主化運動の指導者だったスーチー氏が率いるNLDが大勝し、民主化を進め、今回の総選挙は前回の選挙を上回る結果となっていた。
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